neutron Gallery - 冬の特別企画展 - 『Girls Only 〜女子会〜』
2010/12/07 Tue - 30 Thu gallery neutron kyoto (最終日21:00迄)
出展作家 : 三尾あすか、三尾あづち、入谷葉子、橋本佳代子

京都の一年の最後を飾るのは、巷で流行の「女子会」にちなんだガールズ・アートの特集!
今年ブレイクした双子姉妹作家・三尾あすか&三尾あづちをはじめ、入谷葉子、橋本佳代子をまじえてクリスマスにもぴったりの華やかな展覧会となることでしょう。
男子禁制!? いやいや、もちろん大歓迎です。4人のココダケの話をじっくり眺めて下さい。
(キュレーション : 桑原暢子)


 
copyright : MIO Azuchi / 2010


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gallery neutron 桑原暢子

 近頃よく耳にする「女子会」というフレーズ。単に女の子達だけで集まり、食事をしたりお茶を飲んだりするのだが、なぜわざわざ「女子会」と銘打ってまで女の子達だけで集まるのだろうか?

 理由は多く考えられるのだが、『同性同士の方が気楽で楽しい!!』『男性がいると盛り上がれない話もある…』『本音トークができる!!』など様々だが、やはり同性だから共感できるし、してもらえるというところが大きいのではないだろうか。

 例えば新作バッグ、気付いてもらえるのは女性の友人。男性は気付かない、またたとえ気付いていたとしてもそれを言葉にして伝えることは少ない。それに比べて女性は自分自身も褒められれば嬉しいことを知っているためか、やはり他人を褒める。もちろんこびへつらいなどではなく、ごく自然にそれをやってしまうのが女性の性だろう。それと同じくハイヒールでつぶれたまめの痛さも知っているし、シミ・しわ・そばかすの悩みも同じだし、ダイエットや美容にも興味がある。共有できる悩みがあり、共感できる話題がある。その話題内容は多岐にわたり、仕事・恋愛・趣味・テレビ・映画・噂話など、どれも他愛もない話ではある。すべて生産性がないと言われてしまえばそうかも知れない。ただ、男性には共感してもらえないが、同性だからこそ分かち合える楽しみ・苦しみがある。だから女の子同士で集まり、わいわいすることによって、ある種のストレスを発散し、明日への元気を得ているのかも知れない。

 そしてこの女子会と同じく最近よく耳にする「女子力」というフレーズ。それはまさにこの女子会で得たパワーが源になっているのではないだろうか。

 しかしここで少し気になるのが、なぜ「女」や「女の子」ではなく「女子」というフレーズを使うのか、ということ。男女仲良く遊んだ小学生を経て、思春期の中学生にさしかかる頃、急に異性を自分とは異質の存在として意識し始める。「男子は男子」「女子は女子」だけでグループが織りなされ、異性の前では話せないことをお互いに同性同士で話したり共有したりし始めるのが思春期まっさかりの中学生なのだ。その時の女性とは男性が描く理想的な女性像とは違い、「女子」という一種のイキモノになる。女性でも女の子でもないその女子というイキモノは、年齢を重ねいくら外見が女性へと変貌していたとしても、その本質は思春期の頃のまま成長しておらず、仲良し達で集まればいつでもその頃に戻ってしまうのかも知れない。

 今回のグループ展はそんな女子力満載の4人によって展示が構成される。暑い夏の京都で個展を開催し多くの方を魅了した橋本佳代子が描く大きな目を持つ乙女像。そして京都・東京で個展を巡回し、大きな反響を得た入谷葉子。ノスタルジックシリーズを経て彼女が描くものとは…。そしてART OSAKA 2010やULTRA003、東京での個展などなど、全国各地・海外で大暴れした三尾あすかとあづちの双子の姉妹が織りなすキラキラとした作品群。個性溢れる4人の空間はまるで女の子の部屋のようにキラキラふわふわときらめき、時に男子以上にたくましくもある女子にも宿っている乙女心をくすぐる展示になる。

 そう、たくましさも兼ね備える女子ではあるが、それでもやはり女の子はいくつになっても乙女なのだ。