neutron Gallery - 青い炎 展 - 
2004/6/15Tue - 20Sun 京都新京極 neutron B1 gallery

写真や絵画、イベントオーガナイズなど様々な試みで表現する「プロポーザー(提 案者)」、ZORA。今回は「青」のエネルギーを感じさせるアーティストを集め、ジャ ンルを横断したグループ展を企画。





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gallery neutron 代表 石橋圭吾

この企画は、「ZORA」という一人の若いアーティストの発案から実現に至る、ジャンルを超えたアートイベントとして開催されます。
ZORAは絵画、写真、詩、そして服飾デザインといった表現方法で活発に発表を行いつつ、同時に音楽分野における「パーティーオーガナイズ」でも そのバイタリティーを如何なく発揮しています。
ここでいう「パーティー」とはクラブや野外で行われる、DJやライブを基本として 様々な交流を行うことを目的としたイベントのこと言い、 これらは昨今では若者の間でシーズンを問わず頻繁に行われ、 音楽のみならずあらゆるカルチャーを生み出す原動力ともなっています。
ここではファッションやアートも分け隔てなく存在し、参加者各々のポリシーやスタイルを明確に主張することができ、 またそれらの違いを認識することにより、広い視野にまたがった文化的交流が行われる土壌と 成り得るのです。
そういった自由で奔放な現場はさながら昔のヒッピー文化を連想させるかもしれませんが、その要素は無きにしも有らず、でももっとポジティブに捉えるべき要素が多いのです。
音楽とアートとの関わりはここで言う間でもなく極めて密接なものであるにも関わらず、ギャラリーという美術フィールドの空間においてなかなか同等に扱われることは少ないです。
単に展示会場でライブをする、程度のものでなく、根本的に交わる表現としての交流。
そもそも、形は違えど、表現という名の元に、人間の行う行為はどこか底辺で繋がるのが 当然ではないでしょうか? だとすると、この企画のように、一見何の脈略も無く、個人的趣向で集められたようなグループ展も その本質的な出発点における「青い炎」(=静謐で力強い、内向的な力)という漠然としたテーマ、そして各作家の出展する作品以上に雄弁で説得力のあるものは無いと言えるのです。 それぞれの参加者の出自や活動は全く違えど、それらはここに一同に介することにより、表現本来の力を見せ、ZORAの提示する「青い炎」のエネルギーを放出するのです。
このような発想のもとに開催される美術展がもっとこれから増えていったら・・・ 私達、ギャラリーの想像力も、今以上に羽を広げていかなくてはならないのでしょう。