neutron Gallery - 松井 沙都子 展 - 『Phantom hides on the wall』
2011/3/8 Tue - 27 Sun gallery neutron kyoto


profile
松井 沙都子 MATSUI Satoko

【略歴】
1981 大阪府出身
2004 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
2006 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了

【個展】
2007 「THOM」 / gallery wks. (大阪)
2008 「ドローイング展」 / 石田大成社ICB(京都)
2006 「クロージング」 / gallery Den 58(大阪)
2009 「a ghost」 / neutron kyoto(京都)
2006 「松井沙都子展」 / Five mansion gallery・美容室deem 内(神戸)
2010 「a mimic」 / neutron tokyo(東京)

【グループ展】
2003 「…について」 / YEBISU ART LABO(名古屋)
2004 「主と客」 / 同時代ギャラリー(京都)
2007 「太秦仕事」(京都の制作スペースでのグループ展)
2008 「トゥールビヨン」 / O gallery eyes(大阪)
2006 「太秦出張仕事」 / アートスペース虹(京都)
2009 「S.S.S.」 / gallery Den(大阪)
2010 「オープンスタジオ uzumasa」 / ウズマキスタジオ、ウズイチスタジオ、ライトスタジオ(京都)
2011 「2kw 変電所計画 絵画のリズムとノイズ」 / 2kw gallery(大阪)

【イベント】
2006年10月〜 太秦にある共同制作スペースで、メンバーとともに自主ゼミ兼お茶会である
2006年10月〜 「ウズカフェ」を、不定期に開催。
2008年4月 「ウズカフェ」 一日限りの展覧会
2009年2月 「ウズカフェ」(『4 つのアトリエ』展に参加、カフェ運営、展覧会)



statement
私の作品は、複数のモチーフを組み合わせて作った絵画である。

組み合わせるモチーフには、既視感のある形態のものを選んでいる。
それらは自身の手でドローイング、またはトレースし、PCにスキャンしてデータ化する。
このデータをグラフィックソフトで編集する形でコラージュし、図案を作っている。
図案は、カッティングシート等にデータ出力し、マスキングシートとして使用する。
それを作品の画面に貼りつけ、絵の具で塗装し、加工している。

このように私は、直接的に「描く」という行為から距離を置いて制作している。

なぜなら、私は、自身の世界観を具体的に物語りたいとは考えていないためである。
むしろ、モチーフやその組合せ、あるいは連続する作品によって、何も具体的に見えてこない、不安定な状態を作り出したい。またこれを、具体的な要素のコラージュで成立させたい。

要素は全て寄せ集めであり、中心となる物語はない。
画面作りにおいて、図と地、手描きの線と幾何形態、フラットか質感があるか、全てにおいて、優劣はない。
両極端な物同士がコラージュされることで、新しい世界観を構築するのではなく、どちらにもなりきらないまま、強引に成立しているような作品が作りたいと思っている。

私は、恒常的に不安定でありたい。
これは、なんだかよくわからない存在のまま、ごく普通の人として社会生活が送れてしまっている自分自身への、また他人への興味に基づいていると思う。


2011年1月 松井 沙都子