neutron Gallery - 林 勇気 展 『 overlap 』 -
2009/11/10 Tue - 22 Sun gallery neutron kyoto


Works5
【 やすみのひのしずかなじかん 】
2007年 / gallery neutron(京都)
ハイビジョン・テレビ、プロジェクター、モニター、ラムダプリント
music by 大谷修平
撮影:表恒匡


 





「やすみのひのしずかなじかん」

休みの日に部屋を整理していたら、古くなった紙箱の中から十数枚の方眼紙をみつけた。
マスメには木や家や人物がえがかれていた。
子供の時にかいたファミコンの攻略地図だったかもしれないし、想像上のゲームの地図だったのかもしれない。
子供の頃の休みの日にはそんなことをしていたように思う。

地図をかいた休みの日と地図をみつけた休みの日はどこかでかすかにつながっていて、その間を行き来できる通路のようなものがある気がしてさがしてみるのだけれど、結局はファミコンのゲームみたいに、ぐるぐるとまわるだけで、いきつく先もなく、どこにもいけなくて、でも、なぜだかそれはそれで心地がいいような気もする。
正しいとさえ感じる時もある。

もし世代という枠組があるとするなら、ぼくは失われた世代などではなく、ファミコン世代だ。
そのほうがしっくりとくる。
日本で生まれ育ったことにも、ぐるぐるといきつく先がないことにも、関係のあることのように思えて仕方がない。

そんなとりとめのなさとともに。
ぼくはいつも絵をかくように映像をつくっていきたいとおもっている。