neutron Gallery - 中村 裕太 展 『豆腐と油揚げ』 -
2009/5/12 Tue - 24 Sun gallery neutron Kyoto


Works4

2006年制作作品一例


「山を入れる」
2006.10


遠くの空にうっすらと、空と同化しそうな山が見える。
その青さに近づくと、そこには鬱蒼とした緑の森が広がっている。
たしかにその山は青かった。

遠くの山が青く見えるのは、目と山の間にある分子大気によってレイリー拡散した光を見ているからである。
そのことを承知した上でもなお、山が青く見えることは魅力的である。遠くにいると実体に触れることはできず、近づくにつれて、実体の色へと移行する。つまり、山の表面の色を見ているのではなく、対象へと透過していく色の重なりを見ているのである。言い換えるならば、対象の実体を見ているのではなく、ある距離によってしか見えない色によって、目と山の間にある中空を見ているのだろう。

私は、遠心的に山へと近づき、連続した行為の狭間に齎される中空を、眼前に仮設し、山を観る。



「planter」

2006年

800×1,350×850mm



「仮説の山」

2006年
タイルに陶(6片) 90×90mm / 写真(6枚) 70×70mm



「Still Life」


2006年

2,700×2,700×800mm



「Still Life」


2006年

2,700×2,700×800mm