neutron Gallery - 塩賀 史子展 『かたすみの光』-
2008/7/8 Tue - 20 Sun gallery neutron


profile
塩賀 史子  SHIOGA Fumiko

【略歴】
1972 滋賀県に生まれる
1995 京都精華大学美術学部造形学科洋画専攻卒業
現在  滋賀県在住

【個展】
1999 ギャラリーF (京都市)
2000 ギャラリーすずき (京都市)
2003 ギャラリーすずき (京都市)    
2004 CUBIC GALLERY (大阪市)
2005 CUBIC GALLERY (大阪市)
2006 CUBIC GALLERY (大阪市)
2007 deem Five mansion gallery (神戸市)

【主なグループ展・公募展・その他】
1990 関西二紀展 (大阪市立美術館 / 大阪市)
1993 omnibus 展 (ギャラリーポルティコ / 神戸市)
1998 mixed nut 展 (ギャラリーF / 京都市)
2000 APOSTROPHE ART 展 (ギャラリー石彫 / 高砂市)
2003 実験展 (天王寺学館ギャラリー / 大阪市)
     Infinity'sOrigin 展 (ギャラリー石彫 / 高砂市)
2004 Paintings4 (CUBIC GALLERY / 大阪市)
     湖国の風景展 (アートスペース東山 / 京都市)
     灼灼展 (アートスペースDasman / 京都市)
2005 京展 (京都市美術館 / 京都市)
     野洲市展 (野洲文化小劇場 / 野洲市)
     gallerism2005 (大阪府立現代美術センター / 大阪市)
2006 現代美術展 無限の源 (守山市民ホール / 守山市)
     ワンダーシード2006 (トーキョーワンダーサイト渋谷)
     アートウエハース−21 世紀絵画の重層性− (海岸通ギャラリーCASO / 大阪市)
     常設展示(〜 ‘08) (京都大学吉田南総合館北棟ギャラリー)
     滋賀県展 (滋賀県立近代美術館 / 大津市)
2007 Paintings2007 (CUBIC GALLERY / 大阪市)
     KANTAN 歩 (三江ギャラリー / 神戸市)
     滋賀県展 (滋賀県立近代美術館 / 大津市)
2008 ビエンナーレうしく2008  全国公募絵画展(牛久市中央生涯学習センター)

【受賞】
2005 京展 京展賞 / 京都市美術館 (京都市)
     野洲市展 滋賀県芸術文化祭奨励賞 / 野洲文化小劇場 (野洲市)
2006 滋賀県展 朝日新聞社賞 / 滋賀県立近代美術館 (大津市)
     野洲市展 教育長賞 / 野洲文化小劇場 (野洲市)




statement
「個に内在する普遍性、一瞬に内在する永遠」それが私の制作のテーマです。
私は自分の生活圏内で目にすることができる自然の風景をモチーフにして、そのテーマを追求しています。陽光が差し込み、光と影が交錯し、死と再生が繰り返 され、絶えず変化していく風景。その一瞬のきらめきを捉えたいと考えています。それは自分自身が今、ここで生きているということを、しっかりと掴み、思考 する手段なのです。
2007年9月 塩賀 史子



『かたすみの光』

私は生活圏内で目にすることのできる、現実の風景に基づいて絵を描いています。しかし具体的な場所を再現することが目的ではなく、ありふれた、ごく平凡な 生活のうちに隠されている普遍性と、一瞬に内包されている永遠の輝きを表現することを目指しています。

以前、精神的に追い詰められて、ぎりぎりのところで辛うじて持ちこたえているような状態に身を置いていた時期がありました。その頃、いつも通る道を景色を 眺めながら通過しようとしたとき、見慣れているはずの景色が、驚くほど強烈な光に包まれて、美しく輝いて見えたことがありました。精神的なダメージによっ て生命が摩耗されていく一方で、おそらく命は無意識のうちに生きていたいと必死でもがき、見るものを美しく輝かせていたのだと思います。

風景とは、それを見ようとする者が立ち上がらせているのであり、意識の投影に他ならない、ということを実感したのはその頃からです。私は以前から風景をよ く描いていましたが、内容はその頃から少しずつ変化し、『光』が重要な要素になりました。

『かたすみの光』という展覧会のテーマには、木もれ陽が差してゆらぐ光と影のような、生きる歓びと哀しみの交錯、また生と死の交錯を表しています。

見落としがちなところ、当たり前すぎて気づかないところ、意識に上らないようなところでも、常に万物は生死を繰り返しています。人間もまた、意識を超えたところで、一瞬一瞬の命を燃やし、そして一歩ずつ死に向かいます。

当たり前の日常がとても美しく輝いていること、命のきらめきがそこにあること。哀しみの影が深いほど、生きるということが一層まぶしく輝きを放つこと・・・そんなことを考えて日々制作しています。

2008年5月 塩賀 史子