neutron Gallery - 佐竹永季 展 『日記のようなもの』 - 
2004/1/20Tue - 25Sun 京都新京極 neutron B1 gallery


Artist , Works

【 作家、作品紹介 】

3月まで恋人と半同棲生活を送っていましたが、4月になり進学のため一人で今の部屋へ引っ越して来ました。
新しい生活は、初めて一人暮らしをした時には無かった、寂しさと喪失感で息も出来ないような日々でした。なぜなら、それまで私の生活は、彼のために食事を作り、部屋を片付けるという生活リズムがあったからです。そして、その生活リズムは、私が彼に必要とされている証しだと感じていました。
しかし突然、私の生活から恋人の存在を取り除かれてしまったことで、私の生活リズムは狂い、私を必要とする存在が居なくなってしまったのです。
ここにはまだ、私を理解してくれている友人も居なかったし、まだ知り会って日の浅い人達に私の気持ちを伝えられる訳も無く、私の部屋だけが私を知っている状態でした。
だから、私はこの部屋を撮る事で今まで伝えられなかった気持ちを表現したいと思い、自分の部屋を撮るようになりました。
また、長い間部屋を撮る事で私の気持ちの変化と共に、部屋も変わって行く様子が分かり、私にとってこの部屋の写真はセルフポートレートであり、日記という存在になっていきました。
今、自分の大切なものを喪失していると感じている人はたくさんいると思います。
そんな人達や同世代の人達に、この写真をぜひ見てもらえたらいいなと思います。