neutron Gallery - ALEX ASHTON 展 『made to measure』- 
2003/10/27Mon - 11/2Sun 京都新京極 neutron B1 gallery


Artist , Works

【 作家、作品紹介 】

私の作品は、状況や出来事への抒情的な反応である。
絵画と版画に含まれるイメージは、構図や色、記号性などの形式的でよく考えられてきた要素を通じて物語を生み出す。
私は、異なる次元で作用している絵画と版画において、これらの要素を統一して同調させたいとしている。
まず初めに、認識可能な形でそれらの要素をイメージ(作品)に導入しながら、第一印象として喜ばれる印象を与える、 視覚的に美しいイメージを作ろうと試みる。
これらの要素は、見る人を引き込む役目をするまた別の要素と、共に存在する。
第一印象を崩して行くためのこれらの(別の)要素は、しばしば「不可能な状況における物(の配置)」などの単純で明白な視覚的トリックで あったり、不可能な(あり得ない)効果や、単に不適当な場所における調和しない配色を生み出そうとしてさらりと描かれている。
また別の次元では、私は雰囲気や状況を説明する色使いを探究している。
これは、与えられた状況における私の感情を伝えようとするために、絵の中の空気を変える試みでもある。
これは、私の感情や態度がある日とその次の日では変わるように、再度絵に向った時に私の印象も変わるといった難しい問題もあり、 私は確固とした印象を構築するために、 絵の本質となる要素に向かい合う機会をなるべく減らそうとしている。
その行為はしばしば居心地の悪いものであり、自己批評的試験でもあり、 自分のミスを認識することは他人のそれと同様に決して容易い命題では無い。
絵と版画における第3の要素は、
それらのもっと形式的な部分に対する調査である。
塗り、色、形とテクスチャの応用、物体や素材やパターンを通して外形と内容を形成すること、 見る人の注意を誘導する重要な道具として構造や構成の認識。
私はこれらの要素を、ある時は伝えたい内容のバランスを取る為に、ある時は不安な空気を演出する為にまとめようとする。
例えば、ベッドのような詳細に描かれた物体と、平面または領域を表そうとする並列したフラットな配色。
私の作品は視覚的刺激と、感情的な反応と、象徴的内容の同化である。
絵と版画では、複雑でしばしば相反する抒情的な出来事を合理化し、より主観的な枠組みへ置こうとしている。
それはまた、私の住む世界、その中の私の居場所に意味を持たせようとする、個人的な試みへと展開されている。
私は見る人が私の気付いた世界へ引き込まれ、異なる次元における興味を引かれることを願う。
より最近では、私の作品はテキスタイルや陶器、ガラスの領域まで広がりつつある。
版画の技術を用いて、織物と紙とを縫い付けや重ね合わせて結び付けた。
絵画や版画と同じく、これらの制作も、近年の日本や極東地域への旅からの直接的な反応である。